就職活動や転職活動で必ずといっていいほど求められる「自己PR」。
「自分にはアピールできる強みなんてない」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。ですが、実は「思いつかない＝強みがない」わけではありません。多くの場合、自分では当たり前だと思っていることこそが、企業が求める魅力になっているのです。
今回は、自己PRが思いつかない時に試してほしい3つのステップをご紹介します。

ステップ①　「過去の経験」を思い出してみる
まずは、自分のこれまでの経験を一度振り返ってみましょう。
「特別な成果」や「大きな実績」である必要はありません。
たとえば――
部活動でコツコツ練習を続けていた
アルバイトでお客様対応を任されていた
学校のグループワークでまとめ役をしていた
趣味で続けていることがある
こうした日常の中に、あなたの「強み」のヒントがあります。
おすすめは、ノートに「頑張ったこと」「続けたこと」「褒められたこと」を思いつくままに書き出してみること。
過去3〜5年分をざっと振り返ると、自分でも気づかなかった「共通点」や「価値観」が見えてきます。

ステップ②　「どう頑張ったか」を掘り下げる
次に、「何をしたか」よりも「どう頑張ったか」に注目してみましょう。
たとえば、同じアルバイト経験でも――
「ミスが多かったけど、先輩に質問しながら改善した」
→ 課題解決力・向上心
「忙しい時間帯でも笑顔を忘れずに接客した」
→ ストレス耐性・コミュニケーション力
「新人の教育を任された」
→ リーダーシップ・責任感
このように、行動の“過程”から強みを導くのがポイントです。
自分の行動を分析する際は、次の3つの質問をしてみてください。
なぜその行動を取ったのか？
その時どんな工夫をしたのか？
結果、周囲や自分にどんな変化があったのか？
この3つに答えていくうちに、自分が自然と大切にしている考え方や行動パターンが見えてきます。

ステップ③　企業目線で「強み」を翻訳する
最後のステップは、見つけた強みを「企業目線」に言い換えることです。
自己PRは「企業が求める人材像」と一致して初めて伝わります。
たとえば――
「友達の相談に乗るのが得意」 → 相手の立場で考えられるコミュニケーション力
「細かい作業が得意」 → 正確さや集中力が必要な仕事への適性
「飽きっぽくない」 → 継続的に努力できる姿勢
自分の強みを「仕事でどう活かせるか」という視点に変えると、ぐっと説得力が増します。
また、可能であれば企業の採用ページや社員インタビューをチェックして、「この会社ではどんな力が求められているのか」をリサーチしておくと効果的です。
自分の強みと企業の価値観が一致する部分を見つければ、自然と心に響く自己PRが完成します。

まとめ ― 自己PRは「自分を探す旅」
自己PRが思いつかないとき、多くの人は「特別なエピソードがない」と焦ってしまいます。
しかし、重要なのは「どんな経験をしたか」よりも「その中でどんな姿勢で取り組んだか」。
自分の過去を丁寧に振り返ることが、何よりも強力な自己分析になります。
焦らず、少しずつ自分を掘り下げていけば、必ずあなたらしい自己PRが見えてきます。
自己PRは他人と比べるものではなく、「自分の軸を知るきっかけ」でもあります。
自分の言葉で、自分の歩んできた道を整理してみてください。
その中に、あなたの未来を拓くヒントがきっと隠れています。